朱 浩昱

私の気付いた中国の一年間の変化

12Sep 2013 朱 浩昱

朱浩昱(Zhu Haoyu)(中国・上海市)

元長崎県国際課国際交流員

長崎滞在期間:2012年4月~2013年4月

 

 

 

  こんにちは!2012年度の国際交流員の朱浩昱です。今年4月に帰国してすでに5ヶ月ほどになりました。母国での生活にはすぐ慣れましたが、私のいない間、中国ではさまざまな変化が起こっていることに気づきました。ここで、その気づきについてお話ししましょう。

 

 

 

その1.物価の上昇

 

  去年に比べて、市場の野菜から住宅まで、すべてといっていいほど物価が上がりました。以前は1個1元(日本円で約16円)だったコンビニで売っている味付け卵は1.5元(日本円で約24円)へと、以前240万元(日本円で約3880万円)だった住宅は今は300万元(日本円で約4850万円)にも値上がりました。それに比べて、給料はそれほどあがっていないのは少々憂鬱です。

 

 

 

その2.PM2.5がキーワードに

 

  大気汚染の関係で、最近「PM2.5(微小粒子状物質)」といった難しそうな語句が日常会話に頻繁に使われるようになりました。天気予報では毎日PM2.5の数値を知らせています。それにしたがって、マスクをつける人もいます。だんだん慣れてきたせいか、近頃PM2.5に関する心配の声は少し落ち着いたようですが、青空が依然見られません。下の写真は晴れた日にとった朝の風景です。白っぽい空です。上海では、青空やきれいな空気(または安心な水)は贅沢品です。

 

 

 

 

その3.いい映画やドラマの増加

 

  一時期、「国産映画が内容よりスケールばかり重視している」と批判の声が上がっていました。しかし、最近「中国合伴人(英語名:American dreams in China)」をはじめとした映画がそのイメージを変えました。

 

  この映画の内容は、アメリカ留学が一大ブームになっていた時代を背景に、3人の若者が紆余曲折を経て、一緒に起業し、自ら経営している学校をアメリカの上場企業にまで成長させたという話です。中国人だったら、この物語を見ると誰でもその古きよき時代の記憶を思い出すでしょう。また、努力すれば成功すると勇気づけられますし、見た後にすっきりする映画です。

 

http://baike.baidu.com/view/8397402.htm

  

  ドラマも次々に良い作品が出ています。あまりドラマを見なかった私も、最近はまったドラマがあります。「心術」という日本の「白い巨塔」みたいな医療業界を描いたドラマです。このドラマは軽やかな雰囲気の中で、中国の医療業界の現実をリアルに描きだした点が気に入っています。つまり、楽しく現実を知ることができるドラマです。「病院で診察してもらうのが大変」という中国では、このドラマは大きな共感を呼んでいます。また、ドラマを通じて、病院側と患者側の相互理解をより深くできるのもいいところです。

 

 

 

その4.「正能量(プラスエネルギー)」、「中国夢」などの言葉が流行語に

 

  「正能量」とは、前向きで人に力を与えるようなエネルギーのことで、人の潜在能力を呼び起こせるような活力のあることを形容して使います。例えば、「あの人には、たくさんの正能量がありますね。(他身上充满正能量。)」というふうに使います。

 

  「中国夢」という言葉は習近平主席が就任以来、「民族の偉大なる復興である中国夢の実現」を唱えるようになり、この言葉が流行するようになったのです。今や人気番組のタイトルである「中国夢之声」もこの言葉を使って名付けたほどです。言葉そのものの力に感心してしまいます。

 

 

 

その5.勤め先の食堂がよくなった

 

  身近な話になりますが、以前は授業が終わって、学生と同じ食堂を利用していました。授業中に学生を厳しく指導した後、食事をとるため食堂に行くと、気がつけば列に並んでいる私の前後の数人が全て自分の生徒でした。これには、さすがにばつが悪い感じがしました。

 

  今は教師専用の食堂ができました。料理の種類も豊富になり、値段も安くて、6元(日本円で約100円)です。同じレベルの定食は、レストランなどでは少なくとも20元(日本円で約320円)なので、満足しています。これなら授業中、思う存分教師としての権威を振るえばいいと安心しています^^

 

 

 

 

その6.広場踊りが流行

  長崎から帰ってきてからは、そこまで忙しくないので、毎日食事の後に、広場踊り(中国語では“広場舞”)をしています。広場踊りは特に年配の女性の間で流行っています。食事のあとに気軽に踊れ、町の広場で踊っている姿をかなり多く見かけるので、「広場踊り」という名がつきました。

 

http://image.baidu.com

 

 

  曲は中国の歌もあれば、英語の歌もあり、リズムに合わせて踊ってとても楽しいです。一時間ほど踊り、程よい汗をかいて健康にも良いですよ。

 

 

  以上、私の気付いた中国の一年間の変化をまとめました。これらの変化は生活様式の変化ではなく、価値観の変化もうかがえると思います。大都会の上海では、日々めまぐるしく変化する世界にどのように順応していくかは、これからの課題かもしれません。